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ナンセンスのセンス 久井諒子「ダンジョン飯」

このマンガがすごい2016 オトコ編で1位に輝いた、久井諒子さんの「ダンジョン飯」。 既刊4巻まで読了していますが、いよいよ8月10日に第5巻の発売です。相変わらずとどまることを知らない面白さ。

ナンセンスのセンス

待ってろドラゴン、ステーキにしてやる!

九井諒子、初の長編連載。待望の単行本化!
ダンジョンの奥深くでドラゴンに襲われ、
金と食料を失ってしまった冒険者・ライオス一行。
再びダンジョンに挑もうにも、このまま行けば、途中で飢え死にしてしまう……。
そこでライオスは決意する「そうだ、モンスターを食べよう! 」
スライム、バジリスク、ミミック、そしてドラゴン!!
襲い来る凶暴なモンスターを食べながら、
ダンジョンの踏破を目指せ! 冒険者よ!!

ダンジョンに生息する魔物を料理して食べよう、が本作のメインテーマ。つまり、存在しない食材のグルメ漫画です。料理にレシピがついてたりするあたり、すごくシュール。

“意味を取り去った後に残ったもの"を全力で表現する感じでしょうか。言葉にし難いですが、とにかく個人的にはとてもツボな笑いです。昔のダウンタウンのコントと同じノリ。 f:id:narusemasaki:20170721222536j:plain

作中での魔物食は、ゲテモノ食いのようなものです。嫌がりながらも、なんだかんだ食べることになるヒロインのマルシルが不憫かわいい。巻が進むごとにエスカレートする主人公ライオスのサイコパスっぷりも見所。恐ろしいまでの食への執念で、鎧を食べるとか絵に描いた餅を食べるとか、、、思いもよらない方向へひた走っていきます。

常識を逆手にとって

設定こそユニークですが、調理方法や食後の感想にはすごく共感してしまいます。

スライムをゼラチンに使えば、、、やっぱり粘り気があるからちょうどいいよね。
ゴーレムを畑に使えば、、、うんうん、そうだよね。ゴーレム土だもんね。

RPGや漫画で無意識のうちに培われた"ファンタジーの常識"を逆手にとっているので、骨董無稽な話ですが妙にすんなり納得してしまいます。 久井諒子、うまいなあ。

結論:マルシルかわいい